こんにちは。
たいていの日本語学校では3ヶ月ごとに新クラスになると思います。
私の勤務している日本語学校も7月期が始まりました。
今回は新しいクラスの初日を担当することになりました。
初日は学校長の話や学校のルールの確認など、
オリエンテーションがメインでスケジュールには余裕があります。
入学したばかりの学生ならまだしもほぼ変わりばえのしないクラスで
初日に自己紹介をさせても学生は飽きてしまいます。
今回は、数名の学生がこのクラスに加入してきたのみで
学生同士はほぼ顔見知りという状態だったので、
ただの自己紹介ではなく、「共通点探し」をさせてみました。
ちなみにレベルは初級が終わったばかりです。
【「共通点探し」とは】
元々は日本語学習のためだけでなく、
小学校などのクラス活動、新入社員研修や合コン等
幅広い場で行われているコミュニケーションゲームです。
〈目的〉
・共通点を探すことで、クラスメイトへの理解を深め、仲間意識がもてる。
・日本語の会話に慣れる。
1つ目は学級経営について。
これまで一緒に勉強してきたクラスメイトの名前は当然知っているはずです。
しかし、クラスメイトについて知らないことも多いはずです。
また、初めてこのクラスに入ってくる学生と元々在籍していた学生の
コミュニケーションの壁をなくす活動です。
次に日本語教育の視点から。
学期始めまでの1週間程度の休みで完全に日本語から離れてしまっていた学生もいます。
そのような学生は急に日本語の勉強モードになりにくいです。
また、口が回らず、日本語が出てきにくいです。
まず、数名の友達と会話させることでリラックスして話すことができ、
徐々に日本語を思い出してくると思います。
〈ルール〉
ここでは、基本的なやり方を記載します。
対象のレベルや人数に応じてアレンジしてください。
①いくつかのグループに分ける。
②グループ内で簡単に自己紹介させる。
③リーダーを決める。
④グループで制限時間内で共通点をできるだけ多く見つけさせる。
⑤グループで発表する共通点を決める。
⑥グループの代表者が発表する。
〈ポイント〉
○学級経営
・楽しく会話できていたグループを褒める。
・共通点をたくさん見つけたグループを褒める。
学級経営では、小さいことでも褒めることが大切です。
褒めることで、自己肯定感が高まり学習意欲につながります。
○日本語教育
・難しい単語を知っている学生を褒める。
・活動が難しいと感じている学生に教えていた学生を褒める。
・文法が正しく使えていたら褒める。
・適宜、学習した文型の復習を取り入れる。
休み明けの授業を本当に楽しみにしてくる学生はほぼいません。
新しいクラスともなれば緊張感もあります。
ここで間違いを指摘されては翌日以降のモチベーションも下がってしまいます。
初日はとにかく褒めて、これからの学習に対する意欲を高めることが大切です。
日本語の先生として、これまで習った文型や語彙を復習することも大切です。
せっかく活動を行っているので、その時に使うのにふさわしい文型や語彙を適宜復習します。
その場で判断し、臨機応変に復習を取り入れることが望ましいですが、
ある程度復習に取り上げたい内容を準備しておくといいかと思います。
私の場合は動詞の変換(て形、た形、辞書形、可能、使役、受身など)
【感想】
どのレベルのクラスでもできるゲームです。
初級でも「Nが好きですか。」「〜たことがありますか。」等の文型が使えます。
まず、グループでの活動に入る前に教師と数名の学生で
教師が質問しながら共通点探しの方法を提示した方がいいです。
活動では指示が一番大切です。
指示が通ってなかったらせっかくの活動もグダグダです。
学期始め、いつもと違うことをしてみたい先生は
クラスに合うようルールをアレンジして、ぜひ試してみてください。
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